定年後・退職後の仕事はどこで探す?ハローワーク・シルバー人材センター・求人サイトの使い分け

まずは、近くのハローワークに相談するのがおすすめです。相談は無料です。
- ハローワーク(生涯現役支援窓口):おおむね60歳以上の方のための相談窓口。全国300か所にあります。
- シルバー人材センター:地域の短い時間・軽い仕事。原則60歳以上の方が会員になります。
- シニア向けの求人サイト:家で、自分のペースで求人を見られます。
- 職種専門のサービス:ドライバーなど、やりたい仕事が決まっている人に。
いくつかを組み合わせて使うと、仕事が見つかる道が広がります。
「定年になったけれど、まだ元気だし、働きたい」。「年金だけでは少し心配。でも、どこで仕事を探せばいいのかわからない」。
そう感じている方は、少なくありません。60代、70代になっても、自分に合った働き方を見つけている人はいます。あきらめる前に、探す場所と順番を知っておきましょう。
この記事では、厚生労働省などの情報をもとに、定年後・退職後の仕事の探し方を、ひとつずつ説明します。
- 仕事を探す場所(4つ)と、それぞれの違い
- 探し始める前に、決めておくこと
- 知っておくと安心な、国の制度
定年後も働ける?法律ではどう決まっている?
はじめに、うれしい話をひとつ。国の法律でも、年齢を重ねても働けるしくみがつくられています。
会社には「65歳まで働ける場」をつくる義務がある
「高年齢者雇用安定法」という法律で、会社には65歳まで働ける場をつくることが義務づけられています。方法は、次の3つのどれかです。
- 定年を65歳まで引き上げる
- 定年のあとも続けて働ける制度(継続雇用制度)をつくる
- 定年をなくす
2025年4月からは、続けて働きたい人は全員、65歳まで働ける制度にする必要があります(それまでの経過措置が終わりました)。
70歳まで働ける場をつくる「努力義務」もある
さらに2021年4月からは、70歳まで働ける機会をつくるよう努めること(努力義務)も定められました。「努力義務」とは、「できるだけそうしてください」という決まりのことです。くわしい制度は会社ごとに違うので、いまの会社で働き続けたい方は、人事の担当者に聞いてみましょう。
求人で年齢を制限することは、原則禁止
厚生労働省によると、会社が人を募集・採用するときに、年齢を制限することは原則として禁止されています。ただし、例外もあります。たとえば、定年の年齢を上限にする場合などです。また、60歳以上の方だけを募集する求人は、例外として認められています。
仕事はどこで探せる?4つの場所の違い
定年後・退職後の仕事を探す場所は、大きく分けて4つあります。
| 探す場所 | どんなところ? | こんな人に | お金 | リンク |
|---|---|---|---|---|
| ハローワーク(生涯現役支援窓口) | 国の相談窓口。仕事の相談・紹介、履歴書の書き方や面接の受け方の説明などをしてくれる | まず相談したい人、近くで探したい人 | 無料 | 国の案内ページを見る |
| シルバー人材センター | 地域の短い時間・軽い仕事を、会員に紹介する団体。原則60歳以上 | 月に数日、無理なく働きたい人 | 入会の手続きはセンターごとに確認 | 全国シルバー人材センター事業協会 |
| シニア向けの求人サイト | 50代以上・シニア向けの求人を集めたサイト。家で求人を見られる | 自分のペースで、いろいろ見くらべたい人 | 求人を見るのは無料のことが多い(各サイトで確認) | — |
| 職種専門のサービス | ドライバー、介護など、ひとつの仕事に専門の求人サイト・紹介会社 | やりたい仕事が決まっている人 | サービスごとに確認 | — |
ハローワーク(生涯現役支援窓口)
- どんなところ?
- 国の相談窓口。仕事の相談・紹介、履歴書の書き方や面接の受け方の説明などをしてくれる
- こんな人に
- まず相談したい人、近くで探したい人
- お金
- 無料
シルバー人材センター
- どんなところ?
- 地域の短い時間・軽い仕事を、会員に紹介する団体。原則60歳以上
- こんな人に
- 月に数日、無理なく働きたい人
- お金
- 入会の手続きはセンターごとに確認
シニア向けの求人サイト
- どんなところ?
- 50代以上・シニア向けの求人を集めたサイト。家で求人を見られる
- こんな人に
- 自分のペースで、いろいろ見くらべたい人
- お金
- 求人を見るのは無料のことが多い(各サイトで確認)
職種専門のサービス
- どんなところ?
- ドライバー、介護など、ひとつの仕事に専門の求人サイト・紹介会社
- こんな人に
- やりたい仕事が決まっている人
- お金
- サービスごとに確認
ひとつずつ、くわしく見ていきましょう。
ハローワーク「生涯現役支援窓口」では何をしてくれる?(公的・無料)
ハローワークは、国が運営している仕事の相談窓口です。全国にある主なハローワークのうち300か所に、おおむね60歳以上の方のための「生涯現役支援窓口」があります(厚生労働省)。
どんな人が使える?
- おおむね60歳以上で、仕事を探している方
- いま働いている方も使えます
- ハローワークによっては、55歳以上から使えるところや、65歳以上に特化したところもあります
- 厚生労働省のリーフレットでは、65歳以上の方を重点的に支援すると書かれています
どんなことをしてくれる?
厚生労働省の案内によると、次のような手助けがあります。
- これまでの仕事の経験や、年金の受け取り方などもふまえた仕事の相談と紹介
- 履歴書や職務経歴書の書き方、面接の受け方についての説明
- 職場見学・職場体験・面接会・セミナーの案内
- 国の職業訓練(公共職業訓練)の受講のあっせん
- シルバー人材センターなど、ほかの相談先の情報
設置しているハローワークの一覧は、厚生労働省のサイトで見られます。窓口がないハローワークでも、ふつうの職業相談は受けられます。

シルバー人材センターではどんな仕事がある?
シルバー人材センターは、地域の家庭・会社・役所などから仕事を引き受けて、会員に紹介する団体です。法律にもとづいて、都道府県知事が指定しています。
だれが入れる?
原則60歳以上の方が、会員として登録します。入会の手続き(説明会や会費など)は、センターごとに決まっています。お住まいの市区町村のセンターに聞いてみましょう。
どのくらい働く?
全国シルバー人材センター事業協会などの資料では、仕事の量の目安は次のとおりです。
- おおむね月10日程度以内
- または、おおむね週20時間をこえない程度
知っておきたいこと
- 仕事は「請負(うけおい)」「委任(いにん)」という形が基本です。会社にやとわれる「雇用」とは違います。
- 働いたぶんは「配分金(はいぶんきん)」として受け取ります。
- 協会の説明では、決まった収入や、働く日数の保証はありません。「生きがいを得るための就業」を目的としています。
- 危ない作業や、体に有害な作業は引き受けていません。
「たくさん稼ぐ」よりも、地域の役に立ちながら、無理なく体を動かしたい方に向いています。
入会のしかたや仕事の例は、70代・80代でもできる仕事でくわしく説明しています。

求人サイトや職種専門のサービスは、どう使う?
家で、自分のペースで求人を見たい方は、インターネットの求人サイトも使えます。
シニア向けの求人サイト
50代以上・シニア向けの求人を集めたサイトには、たとえば「シニアジョブ」や「マイナビミドルシニア」があります。パート・派遣・正社員など、いろいろな働き方の求人がのっています。使い方や条件は、それぞれのサイトで確認してください。
また、ハローワークの求人は「ハローワークインターネットサービス」で、家からも探せます。
やりたい仕事が決まっているなら、専門のサービスも
「運転の仕事がしたい」「介護の仕事をしてみたい」など、やりたい仕事が決まっている方は、その仕事専門のサービスを使う方法もあります。
- タクシー・ドライバー:60代・未経験からタクシー運転手になれる?の記事でくわしく説明しています。
- 介護:50代・60代から介護の仕事は始められる?の記事でくわしく説明しています。
- 警備:60代から警備の仕事を始めるには?をご覧ください。
- 清掃:60代・70代から清掃の仕事を始めるには?をご覧ください。ほかの仕事は、現場の仕事のページで紹介しています。
- 週に数日のパート:60代・70代のパート・アルバイトの探し方をご覧ください。
- 正社員をめざしたい:50代・60代で正社員をめざすには?をご覧ください。
- 空いた時間に少しだけ働きたい:スキマバイトの始め方と注意点をご覧ください。
- 資格を取ってから働きたい:定年後に役立つ資格は?をご覧ください。

探し始める前に、決めておくことは?
仕事を探す前に、次の4つを紙に書き出してみましょう。相談するときにも、そのまま見せられます。
- 週に何日、1日に何時間働きたいか(例:週3日、1日5時間)
- 家からどのくらいの距離までなら通えるか(例:電車で30分まで)
- 体のことで気をつけたいこと(例:重い物は持てない、立ち仕事は半日まで)
- 月にどのくらいの収入がほしいか(年金とのバランスも考えて)
条件をはっきりさせると、窓口の人も、合う仕事を探しやすくなります。
仕事をやめたとき・働くときに、知っておきたい国の制度は?
65歳以上でやめたとき:高年齢求職者給付金
65歳以上で雇用保険に入っていた方(高年齢被保険者)が仕事をやめた場合は、「高年齢求職者給付金」という一時金の対象になることがあります。
- 条件:やめる前の1年間に、雇用保険に入っていた期間が通算6か月以上あることなど
- もらえる額:基本手当の30日分(加入1年未満)、または50日分(加入1年以上)
- 受け取れる期限:やめた日の次の日から1年
- 手続き:住所を管轄するハローワークで、求職の申し込みをしたうえで手続きします
自分の都合でやめた場合は、7日間の待期のあと、さらに原則1か月待つ必要があります。くわしくはハローワークで確認してください。
年金をもらいながら働くとき:在職老齢年金
厚生年金に入って働きながら老齢厚生年金をもらう場合、給料と年金の合計が多いと、年金の一部が止まることがあります。日本年金機構によると、2026年4月から、この基準は月65万円になりました(それまでは月51万円)。合計が65万円以下なら、年金は減りません。老齢基礎年金は、この調整の対象ではありません。計算のしかたや例は、年金をもらいながら働くといくら減る?で説明しています。
まとめ
- 迷ったら、まずハローワークの「生涯現役支援窓口」へ。無料で相談できる
- 地域で短い時間だけ働きたいなら、シルバー人材センター(原則60歳以上、月10日程度以内・週20時間以内が目安)
- 家で求人を見たいなら、シニア向け求人サイトやハローワークインターネットサービス
- やりたい仕事が決まっているなら、職種専門のサービスも
- 探す前に「日数・時間・距離・体のこと・収入」を書き出しておく
これまで積み重ねてきた経験は、きっとどこかで生かせます。ひとりで悩まず、まずは相談するところから始めてみてください。
よくある質問
定年後の仕事探しは、まずどこに相談すればいいですか?
まずは近くのハローワークがおすすめです。全国300か所のハローワークには、おおむね60歳以上の方のための「生涯現役支援窓口」があり、仕事の相談や紹介を無料で受けられます。窓口がないハローワークでも、ふつうの職業相談は受けられます。
シルバー人材センターでは、どのくらい働けますか?
全国シルバー人材センター事業協会などの資料では、おおむね月10日程度以内、または週20時間をこえないことが目安とされています。仕事は請負・委任が基本で、収入の保証はありません。くわしくはお住まいの地域のセンターに聞いてください。
65歳をすぎて仕事をやめたら、失業保険はもらえますか?
65歳以上で雇用保険に入っていた方がやめた場合は、「高年齢求職者給付金」という一時金の対象になることがあります。やめる前の1年間に、雇用保険に入っていた期間が通算6か月以上あることなどが条件です。もらえる額は、基本手当の30日分(加入1年未満)か50日分(1年以上)です。
年齢を理由に、求人に応募できないことはありますか?
法律で、募集や採用のときに年齢を制限することは、原則として禁止されています。ただし、定年の年齢を上限にする場合など、例外もあります。60歳以上の方だけを募集する求人は、例外として認められています。
会社では、何歳まで働けますか?
高年齢者雇用安定法で、会社には65歳まで働ける場をつくることが義務づけられています(定年の引き上げ、継続雇用制度、定年の廃止のどれか)。さらに70歳までの働く場をつくるよう努めること(努力義務)も定められています。くわしい制度は会社ごとに違います。
この記事で参考にした情報(2026年10月30日確認)
- 厚生労働省「概ね60歳以上の求職者の皆さまへ(生涯現役支援窓口事業)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/koureisha-koyou_00025.html - 厚生労働省「生涯現役支援窓口を開設しているハローワーク一覧」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/koureisha-koyou_shogaimadoguchi.html - 厚生労働省「『生涯現役支援窓口』のご案内」(リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/001723858.pdf - 厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~『継続雇用制度』の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1.html - 厚生労働省「高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者就業確保措置関係)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11700000/001245651.pdf - 厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/topics/tp070831-1.html - 全国シルバー人材センター事業協会「シルバー人材センターの会員組織と働き方」
https://www.zsjc.or.jp/about/about_04.html - 厚生労働省・全国シルバー人材センター事業協会「シルバー人材センターの適正就業ガイドライン」
https://www.zsjc.or.jp/img/index/guideline_1.pdf - ハローワークインターネットサービス「基本手当について(高年齢求職者給付金)」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html - 日本年金機構「在職老齢年金制度が改正されました」
https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/zairoukaisei.html
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